第15章 少なくとも彼よりきれいだ

風間爺さんは七海へと、諦めたような視線を向けた。

「わしも歳は食った。だが目は曇っとらん。何も知らんわけでもない。このクソガキが何をやらかしたか……全部、分かっとる」

言い終えると、今度は不満げな眼差しを風間悠希へ投げる。

「いいか。わしが生きているうちは、くだらん考えは起こすな。水原美月をこの家に入れることは、絶対に許さん」

風間の爺さんは、裸一貫から這い上がってきた男だ。風間グループをここまで押し上げ、今や業界で一強と呼ばれるところまで築いた男だ。人並みの手腕で成し得るはずがない。

だからこそ、かつて風間爺さんが「悠希は七海と結婚しろ」と言ったとき――風間英二も風間綾子も腹の底...

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