第53章 うわべだけの姉妹だけだ

昔日なら、水原美月と水原雪乃は、そろって「姉妹仲の良さ」を演じてみせたはずだ。

だが今――七海は少し離れた場所で、顔色を最悪にしている水原美月を眺め、口元にふっと笑みを浮かべた。

やっぱり。予感は当たっていた。

この“姉妹”は、もう完全に決裂している。

人間なんて、利害がぶつからないうちは平和にやれる。

少しでも歯車がズレたら、割れた鏡みたいに、二度と元には戻らない。

三人が和やかに笑い合っているのを横目に、七海は声をかける気にもならず、そのまま立ち去ろうとした。

――と、その瞬間。

水原雪乃の視線が会場を一周し、最後に七海のところで止まった。

そして雪乃は迷いなく大股で近...

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