第59章 いよいよ見物が本格的に幕を開ける

ベッドの上の男はその一部始終を見て、してやられたと気づいた途端、胸の奥がむかむかと煮え立った。

「こいつだ! こいつがわざとやったんだ!」

そう吐き捨てたときには、もう服を着終えている。記者たちの矛先が水原母へ向いた隙を突き、男はそのまま廊下へ飛び出していった。

一瞬で世論は水原母を取り囲み、息をすることすら許さない勢いで押し潰してくる。

扉の外。

少し離れた場所で、水原浩が七海の前に立ちはだかり、開口一番、怒鳴りつけた。

「俺の娘はどこだ」

七海は静かに彼を見返し、視線だけで彼の背後――少し先にある一枚の扉を示す。

「どこにいるか……あなたが一番分かってるんじゃない?」

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