第95章 すべてが乱れた

石川照。

その声を、七海が忘れるはずがない。

こんなタイミングで電話を寄越すなんて、ネットに出回っている情報をもう見たのだろう。わざわざ今、追い打ちをかけに来たに違いない。

七海は鼻で笑った。

「忘れるわけないでしょ。あんたが私に刑務所へ叩き込まれたときのツラ、死ぬまで覚えてる」

その言葉に、石川照の顔色は一瞬で沈んだ。

――もっとも、電話越しの七海には見えない。

「今、俺の目の前にいないからって調子に乗るなよ。お前がやったこと、俺は忘れてねえ。安心しろ、次はお前だ。手元の端金だって守りきれると思うな」

七海の口元には笑みが浮かぶ。嘲りだけでできた笑み。

「石川佳純が、私の...

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