第105章 実父が再び彼女を見つける

木村教授は書類をめくる手を、ふっと止めた。

顔を上げ、温井有紗を見据えると、鼻で笑う。

「……お前が?」

「有紗。お前はそもそも医学部の出じゃないだろう」木村教授の声が冷える。「医者になるってのはな、ままごとじゃない。『学びたい』なんて気分でどうにかなる世界じゃないんだ」

温井有紗は顔を赤くし、悔しさに首を突っぱねたまま言い返す。

「だったら私、医学部に入り直す! おじいちゃんが数年待ってくれるなら、絶対に清水若菜に追いついてみせる!」

木村教授は薄く笑った。

「いいじゃないか。……医学部を卒業してから、また言え」

その言葉に滲む嘲りと、適当にあしらう気配。温井有紗にも、さす...

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