第111章 彼女への信頼

名取承吾は言われたとおり、手にしていた書類封筒を木村教授へ差し出した。

「木村教授。こちらが患者さんの資料一式です。検査結果もすべて入っています。まずはご確認ください」

木村教授は封筒を受け取り、ぱらりと二枚ほどだけ目を通す。細かい数値と診断記録に視線を走らせると、すぐさまそれを清水若菜の前へ回した。

「若菜。先にあなたが見なさい」

清水若菜は一瞬きょとんとして、木村教授を見上げる。

「先生、それは……」

「見ろと言ったら見なさい」

声は淡々としているのに、瞳の奥には含みがあった。

「読み終えたら、どう治すべきか――あなたの考えを聞かせて」

若菜は反射的に名取承吾へ目を向け...

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