第23章 彼女への独占欲

九条辰哉は椅子に腰掛けたまま、もう名取賢次には目もくれず、意識のすべてを清水若菜へと向けた。

気遣わしげな声で言う。

「千野教授から聞いたよ。骨折の具合はかなり重いらしい。これから治るまで痛みも強いだろうけど……ちゃんと良くなる。必ずな」

清水若菜は沈んだ声で、隠しようのない絶望をにじませた。

「九条社長……私の手、もうこれから先、細かい実験はできないかもしれません。メスだって握れないかも……。すみません。期待してくださっていたのに、応えられそうにありません」

「そんなふうに言わないでくれ」

九条辰哉は声をやわらげ、そっと言い聞かせる。

「骨折は一時的なものだ。千野教授の腕を、...

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