第35章 浴室内の堕落

その瞬間、若菜は意識が途切れそうになった。

名取賢次の指が、彼女の奥をゆっくりとかき混ぜる。けれど親指だけは執拗に、そこを押し当てて擦り続けてきて――ぴちゃ、くちゅ……水面が小さく波紋を描き、何重にも広がった。

若菜は彼の肩にもたれ、顎を反らす。眉はきつく寄り、唇はわずかに開いたまま。息は浅く速くなり、瞳に残っていた最後の理性が、甘い濁りに塗り潰されていく。

濡れて、熱くて、重い情欲の匂い。

賢次は俯いて耳たぶを含んだ。指を抜いた拍子に、透明な糸がつうっと引き伸ばされ、細く揺れて切れる。

彼は立ち上がると、片手でシャツの前を乱暴に引き裂くように開き、ズボンを脱ぎ捨てた。

浴槽の壁...

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