第37章 見下される

名取賢次は、本当は彼女に言いたかった。

もう言い争いはやめよう。昔みたいに、ちゃんとやり直さないか――と。

けれど、言葉は喉まで出かかったまま、どうしても一文字も口にできなかった。

結局、彼はただ首を横に振るだけだった。

「いや……大丈夫だ。ちゃんと休めよ。何かあったら電話してくれ」

そう言い残し、扉を押して出ていく。

清水若菜は一人、ダイニングテーブルの前に座ったまま、朝食をひと口ずつ運んだ。

けれど、何を食べても砂を噛んでいるようで、味なんて少しもしない。

食事を終えると、服を着替えて外に出た。

通りがかりの薬局の前で足を止め、そのまま中へ入る。

「アフターピルを1箱...

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