第56章 私が積極的なのが好きじゃないの?

一通り、息もつかせぬほど激しく求め合ったあと――名取賢次は清水若菜を抱き上げ、そのまま浴室へ連れていった。

「若菜」

「ん?」

「さっき、お前……俺の上に乗ったよな」

名取賢次が低く呟く。意外そうな響きが、わずかに混じる。

若菜は普段、ベッドの上ではどちらかといえば控えめなタイプだ。求められればちゃんと応えてくれるが、自分から主導権を握ることはめったにない。まして今日みたいに、跨ってリズムまで支配するなんて――。

さっきの、腰をくねらせる姿。目を奪うどころじゃない。心臓ごと攫っていく、妖しい魔性みたいだった。

「誰に教わった?」

耳元へ顔を寄せ、からかうように訊く。

若菜は...

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