第77章 屋内に誰かがいる

夜半――村は、息をひそめたように静まり返っていた。

カーテンの隙間から月光が差し込み、床にぼんやりとした光の染みを落とす。

清水若菜は深く眠っていた。夢すら見ない、底なしの眠り。

うつらうつらとした意識の端で、何かがふくらはぎに触れた気がした。

ざらついていて、妙に温かい。まるで手のひらが肌の上を這うような感触に、若菜は不快そうに眉をひそめる。

けれど目は開けなかった。寝ぼけているだけ――そう思い込む。

寝返りを打ち、脚を布団の中へ引っ込めて、また眠ろうとした。

だが、すぐに。

もう一つの手が、落ちてきた。

膝からゆっくりと上へ。掌には硬いタコがびっしりで、肌をこすられるた...

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