第78章 お願いだから名取社長に言わないで

名取承吾はゆっくりと首を巡らせ、二人のボディガードへ視線を落とした。そこに宿るのは、いっさいの温度を欠いた冷えきった光。

「お前ら……彼女のボディガードか」

二人は呆けたように、こくりと頷く。

返事を確認した瞬間、名取承吾は足を上げ、容赦なく二人の胸を蹴り抜いた。

185センチはある大男が、たった一撃で宙を舞う。背中から廊下の壁へ叩きつけられ、鈍い衝撃音が響いた。

二人は前後して床に転がり、喉の奥に鉄のような生臭さがせり上がる。

――それでも、誰ひとり反論できなかった。

「何のためにいる。さっき、どうしてドアの前にいなかった」

名取承吾の叱声が、廊下の空気を切り裂く。

丸刈...

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