第80章 彼がいる安心感

名取賢次は清水若菜の身体をそっと支え、ベッドの縁に座らせた。背中がヘッドボードにもたれるようにしてやる。

それから振り返り、入口に立つ二人のボディガードを見据えた。

顔色はどんよりと沈み、歩幅の大きい足取りで近づくと、容赦なく足を振り抜く。

ドスッ、と鈍い音。

一人ずつ胸を蹴り飛ばされ、二人は壁に叩きつけられた。白目をむきそうな顔で胸を押さえ、ずるずると床へ滑り落ちる。口の中に鉄の味が広がったのだろう、唇の端がわずかに歪んだ。

この場で逆らえる者など、誰もいない。

賢次は歯を食いしばり、吐き捨てる。

「お前ら、死にたいのか。若菜が危ない目に遭ったとき、どこにいた」

怒りは止ま...

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