第93章 彼女の後ろ盾となる

植田丈二は清水若菜を、数秒じっと見据えた。

それから、鼻で冷たく笑う。

「へえ……あのクソ女、意外と親孝行な娘を育ててたじゃねえか」

吐き捨てるように言いながら、清水若菜と清水由香のほうへ、ずかずかと歩み寄る。

清水若菜は即座に清水由香を背中にかばい、鋭く警告した。

「止まって。これ以上近づいたら、すぐ警察呼びます!」

植田丈二の足が、わずかに止まる。

だが笑みは引かない。むしろ、いっそう下卑た形に歪んだ。

彼は前へは出ず、視線だけを清水若菜の肩越しに滑らせ、背後の清水由香へ落とす。目の奥がどす黒い。

「清水由香、よく聞け。さっさと用意しろ。1,000万だ。1円も欠けるなよ...

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