第95章 彼女はかなり悲惨だ

清水由香の声はやたらと大きく、待合ホール全体にびりびりと響き渡った。

「あなたの娘、若いくせに既婚者ばっかり狙って男を引っかけてるんでしょ。どこでそんな手口覚えたのかと思ったけど……ああ、なるほどね。全部あんた仕込みってわけ?」

「まったく、いいことは教えないで、気持ち悪い下品なことばっかり!」

「親子そろって同じ穴のムジナよ。どっちもどっち、恥知らず!」

もともと待合ホールは人でごった返している。

そこへ清水由香が一発怒鳴ったものだから、ほとんど全員の視線がいっせいに温井水月へ突き刺さった。

疑いと蔑みの目。ひそひそ声。

それを浴びた瞬間、温井水月は血が頭に一気にのぼるのを感...

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