第96章 俺の妻は他人に心配される必要はない

そういうことだったのね……。

名取承吾の気遣う言葉を耳にして、清水若菜の胸にふわりと温かいものが広がった。

「本当に大丈夫です。家でちょっとしたトラブルがあっただけで、もう片づきましたから」

声を柔らかくして、感謝を添える。

「わざわざ電話してくれて、ありがとうございます」

受話器の向こうで、名取承吾が低く「……うん」と返した。

「例の文房具、もう児童養護施設に届けてきた。ランドセルと画材を見た瞬間、子どもたちが大喜びでさ。ずっと『ありがとう』って言ってたよ」

清水若菜は思わず目尻を下げて笑った。

「喜んでもらえたならよかった。私もこの忙しい時期が落ち着いたら、また追加で買い...

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