第7章
耳を劈くような怒号が飛び交う大混乱のバンケットルーム。いつもの傲慢で高飛車な真理恵の態度は、もはや見る影もなかった。
「私には手を出せないでしょう」とでも言いたげな、あの勝ち誇った愛人の姿は完全に消え失せている。
大きく膨らんだ腹を必死に庇い、壁に背を張り付かせる。警察が隆二を取り押さえている隙に、彼女は脇の通路から這うようにして逃げ出そうとしていた。
私は猛ダッシュで駆け寄り、両開きの扉を力任せに叩き閉め、彼女の行く手を塞ぐ。
「どこへ行くつもり、真理恵」
私が冷たい笑みを浮かべると、彼女はビクッと肩を震わせ、顔からさっと血の気を引かせた。
「触らないで!」
真理恵...
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