第6章

 巡視艇が、十分後に船首を突っ込むようにして横づけした。

 最初に降りてきたのは港湾管理者で、その背後に会員制クラブの代理人弁護士が続く。私は二人をタラップへ案内した。

 音楽はまだ鳴りっぱなしだった。誰も音量を下げていない。スカイデッキで志保がこちら――制服と書類かばん――に気づき、彼女の顔が、私の知らない表情に変わった。

 志保は勢いよく降りてくる。

「どういうこと?」

 港湾管理者は彼女を見もしない。「この船の所有者は誰だ」

「うちの父よ」

「その父親というのは?」

 志保は言葉を切る。次の瞬間、また勢いを取り戻した。「ねえ、うちは遠藤家とは昔からの付き合いなの。五分と...

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