第6章
由美視点
カーテンの隙間から差し込む一条の光が、まっすぐ目を射抜く。まだ霞のかかった頭で、無理やりまぶたをこじ開けた。
天井が違う。これ、私の部屋の天井じゃない。
はっと身を起こすと、掛け布団が滑り落ちた。自分を見下ろす。昨夜着ていた服のままだ。黒いセーターとジーンズ。脱いでいるのは靴だけだった。
部屋を見渡す。ダークカラーのシーツ。ミニマリストな家具。壁には抽象画。
ここは、亮の部屋だ。
何があったんだっけ? 昨夜……暖炉の前で、彼に抱きしめられて、子供の頃の話をして泣いて、それから……それから、眠ってしまったの?
彼がここまで運んでくれたってこと?
視線が...
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