第5章

 最後の日、黒沢智が帰ってきた。

 彼だけではない。白川結衣も連れていた。

「結衣のマンション、水道管が破裂して住めなくなったらしい。数日ここに泊めるぞ」

 黒沢智は白川結衣の肩を抱き寄せ、挑発的な視線を私に向けた。

「お前は黒沢家の女主人だろう。結衣のために部屋を用意してやれ」

 白川結衣は彼の胸に顔を埋め、申し訳なさそうな表情を作る。

「清美さん、本当にごめんなさい。お邪魔してしまって……。智くんがどうしてもって言うから……」

 黒沢智は私が爆発するのを待っている。泣き叫び、取り乱すのを。そうすれば「理不尽だ」「わけがわからない」と私を責め、無理やり頭を下げさせることができ...

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