第7章

私は浴室の鏡の前に立ち、その小さなフルーツナイフを握りしめていた。刃は真っ白な照明の下で冷たい光をきらめかせ、まるで私にすべてを終わらせるよう誘惑しているかのようだ。私は左手を持ち上げ、刃先を手首に当て、金属の冷たさを感じた。

「生きていれば希望がある……」

お爺さんの言葉が、ふと耳元で蘇る。あれは私が十六歳の時、姉の神崎凛に陥れられた後、お爺さんの家の屋根裏部屋に隠れて泣いていた時に、かけてくれた言葉だった。生きている限り、希望はある、と。

けれど今、私にどんな希望が残っているというのだろう?

身代わりの結婚、治癒不能の脳腫瘍、失った子供、そして子供を産むための道具として扱...

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