第103章

アルプスの連なる雪嶺を一望できる、最上階の採光のいい応接ラウンジ。床から天井までのガラス窓の向こうは、白銀の世界だった。

松本彩世は、自らデザインした純白のミニマルスーツを纏っている。長い髪はきっちりと後ろでまとめ、余計なジュエリーは一切つけない。手元にあるのは、パテック フィリップのアンティークのレディースウォッチだけ。

カメラの前の彼女は落ち着き払っていて、揺るがない自信が滲む。空気が、彼女のために張り詰めていた。

「松本さん。アヤは、わずか5年でヨーロッパの一線級オートクチュールブランドに躍り出ました。その核となる競争力は何だとお考えですか?」

編集長が、流れるようなフランス語...

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