第123章

新谷寒季は大股で踏み込み、彼女の両手を――その場で使い物にならなくしてやるつもりだった。

その一歩を踏み出した瞬間、レストラン奥の非常通路の扉が、誰かに蹴り破られた。

「バンッ!」

重い鉄扉が壁に叩きつけられ、廊下に耳をつんざくような轟音が響く。

飛び込んできたのは、屈強なラテン系の男が四人。殺気をまとい、獣みたいな目をしていた。

揃いの黒いタクティカルベスト。手には警棒。腰回りは不自然に膨らみ、隠し持っている『本物』があるのは一目で分かる。

須藤克己が、松本凛のそばに付けていた人間だ。

須藤克己は松本凛を使って松本青輝を攫う算段を立てている。こんな局面で、松本凛を新谷寒季に殺...

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