第125章

用心棒が、ひよこでもつまみ上げるみたいに男を持ち上げた。

「青輝!」

松本彩世はなりふり構わず飛びついたが、別の用心棒に足で蹴り飛ばされ、床に叩きつけられる。

背中の傷がじわりと疼く。息を呑むしかないまま、泣き叫ぶ青輝が用心棒に引きずられ、病室の外へ連れ出されていくのを見送った。

「松本凛……青輝に手ぇ出したら、絶対に許さない!」

彩世の目は真っ赤で、声は裂けるように尖っていた。

「ここで大人しく死ぬまで待ってな」

松本凛は高笑いし、ドン、と扉を叩きつけて去っていった。

     *

M区下城。人通りのない路地の奥にある、地下倉庫。

松本凛は車内から、用心棒が松本青輝を、...

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