第135章

車のドアがガラッと開いた。目出し帽をかぶった屈強な男が二人、稲妻みたいな勢いで飛び降りてくる。

「な、何するの――」

松本凛が悲鳴を上げるより早く、カビ臭い粗い麻袋が頭から被せられた。視界も呼吸も一気に奪われ、身体ごときっちり封じ込められる。

「助けて! んぐ……!」

黒ずくめの男が手刀を後ろ首に叩き込む。松本凛の身体から力が抜け、抵抗すらできないまま、ぼろ布袋みたいに乱暴にバンへ放り込まれた。ドン、とドアが閉まる。エンジンが唸り、バンは繁華街の角から一瞬で消えた。

それから三十分後。B区、ゴミが山と積まれた袋小路。

松本凛は汚水の溜まった泥の上に投げ捨てられた。麻袋は外されない...

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