第24章

星空を閉じ込めたようなブルーのドレスは相変わらず華やかだった。けれど、その顔色は血の気が一滴もなく、瞳は波ひとつ立たない水たまりみたいに死んでいる。

大きく息を吸って、松本彩世は来た道を戻らなかった。新谷寒季を探しに行く気もない。

あの吐き気のする場所へ、二度と足を踏み入れたくない。まして、あの男女が甘ったるい言葉を交わし合う光景なんて――見たくもない。

彩世は踵を返し、化粧室の脇にある非常口を押し開けた。スタッフ用通路を抜け、そのまま競売会場を離れる。

初秋の夜風は、骨に刺さるほど冷たかった。

ホテル裏口の回転ガラス扉を出た瞬間、彩世の足がふっと止まる。

少し先、噴水の池のそば...

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