第49章

「新谷寒季が、私が帝都にいないって気づいて――迎えに飛んでくるって」

松本彩世は深く息を吸い、立花千時へ顔を向ける。声音は迷いなく鋭い。

「千時、今すぐ戻らないと」

立花千時は事情を察したようにうなずき、余計なことは一切聞かず、その場でスマホを取り出して復路の便を押さえ直した。

数時間後、帝都空港。

機体が着き、松本彩世と立花千時は並んでVIP通路を抜ける。

初秋の陽射しが巨大なガラスの壁越しに差し込み、磨き上げられた大理石の床へ白く落ちていた。

松本彩世は小ぶりのキャリーケースを押しながら、立花千時の話に横顔で耳を傾けていた。

――その視線が前方をさらった瞬間、ぴたりと止ま...

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