第70章

新谷寒季に襟首を掴まれた商業施設の支配人は、顔面を真っ青にして何度も頷いた。

「新谷さん、監視カメラはすぐに……すぐに確認します……!」

担架に横たわる松本凛は、「監視カメラ」という単語を聞いた瞬間、背中に冷たい汗がぶわっと滲んだ。

水をぶっかけた三人は、彼女が闇サイトで大金を払って雇った連中だ。監視映像を洗われ、そこから辿られて取引の痕跡でも掘り起こされたら――この自作自演の「被害者芝居」は一発で終わる。

「痛いっ!」

松本凛は唐突に声を張り上げ、喉を裂くような悲鳴を上げた。

新谷寒季の手首にしがみつき、爪がスーツの生地に食い込みそうなほど力を込める。

「寒季、監視カメラなん...

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