第81章

記者たちがマイクを突き出し、我先にと質問を浴びせてくる。

新谷寒季は場にふさわしい微笑を崩さず、松本彩世の手をきつく握った。

わずかに身を傾け、あまりにも自然な仕草で、彼女の耳元に落ちた髪をそっと払う。視線に宿る情の濃さは、糸を引きそうなほどだった。

「今夜の主役は、支援を必要としている子どもたちです」

新谷寒季はカメラへ向け、温和で誠実そうな声を滑らせる。

「私と妻は、以前から慈善活動に力を入れてまいりました。今回のオークションでは、私物のコレクションを寄付するだけでなく、特別基金も立ち上げます。家庭と愛――それこそが、新谷グループの揺るぎない価値観です」

言葉は立派で、耳当た...

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