第91章

窓の外から、数え切れない罵声が押し寄せてくる。

スマホの回線を開けば、彼女の個人アカウントは乗っ取られ、何千、何万という悪意のコメントが洪水みたいに流れ込んでいた。

夢の中でさえ憧れていた。上流に食い込み、新谷奥さんになること。

そのために手段を選ばなかった松本凛は――たった一夜で、街の誰からも石を投げられる存在へと転げ落ちた。

新谷寒季は、モニターを睨みつけたまま動けない。

ネットは、彼の不倫の「動かぬ証拠」で埋め尽くされていた。

『帝都時報』のトップ記事。そこにはラブホテルの高画質動画だけじゃない。プラザのチャリティー晩餐会、控室の前で録られた音声まで添えられている。

録音...

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