第10章 すべて取り返す

茅野芽衣の脳内で稲妻が走った。ぎゅっと掌を握りしめ、声を落とす。

「さっき病院で血液検査は受けたの。わざわざそんなことしなくていいよ」

「俺が心配なんだ。外の連中は信用できない」

相馬瑛太は有無を言わせない調子で言い切り、すでに家のお抱え医師を手配していた。

「もう向かってる。お前の身体のためだ。きちんと診てもらう」

芽衣はしばらく黙り込む。胸の中がざわつき、抱き枕を強く抱えた。その腕が無意識に、まだ形の出ていない下腹を隠してしまう。

――迂闊だった。

相馬瑛太は表向きこそ芽衣に甘い。けれど本質は、横暴で支配的だ。

いったん「そうだ」と決めたことは、望む答えを手に入れるまで絶...

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