第110章 不吉な予感

茅野芽衣は窓辺まで歩き、通話を繋いだ。

相馬悠真の声は、いつもと変わらず柔らかい。

「もう試合、終わったか?」

「うん。全部終わった」

相馬悠真は言う。

「なら、早めに戻れ。さっき小林昭から連絡が来た。相馬瑛太が利久の番組出演を見たらしい。芽衣の動きを怪しんで、また追い始めるつもりだって」

「この数年、海外では身分を隠してたとはいえ……相馬瑛太が本気で洗えば、そう長くは誤魔化せない」

茅野芽衣は、別に驚かなかった。

帰国する前から、いずれ相馬瑛太に気づかれる覚悟はしていた。

子どもを科学教育番組に出した時点で、最悪の展開まで織り込み済みだ。

「大丈夫。もう吹っ切れてる……...

ログインして続きを読む