第116章 話の合わない相手とは、一言だって面倒だ

秘書はうなずき、ふと思い出したように言った。

「そういえば、相馬社長。先ほど、以前うちと共同で動いていた医薬系の研究所から人が来まして……こちらから提携を打ち切った理由を聞きたい、と。それと、もう一度だけ機会をもらえないか、とも。いかがいたしましょう?」

「断っていい」

相馬悠真は迷いなく言い切った。

「伝えてくれ。彼らが優秀じゃないからじゃない。俺が決めたんだ。医薬に関わる案件は――俺は、たった一人にしか出資しない」

その「たった一人」が誰かなど、言うまでもない。

茅野芽衣。

秘書も当然それを理解している。口元をわずかに上げた。

「承知しました。こちらで処理いたします」

...

ログインして続きを読む