第131章 口封じの殺人

「そうだよね!」

利久はスマホを取り出し、画面を突き出すように言った。

「さっきのこと、全部撮った。こんな大会、こっちから願い下げだよ。ママ、帰ろ」

茅野芽衣はスマホを見て、子どもたちが何をするつもりか、おおよそ察した。

止めなかった。

二人の手を取り、そのまま踵を返す。

茅野美月の横を通り過ぎた瞬間、背後から低い声が落ちてきた。

「茅野芽衣」

芽衣の足が、ぴたりと止まる。

美月が一歩、距離を詰める。二人にしか届かない声量で、耳元へ毒を流し込んだ。

「今回戻ってきたからって、瑛太を奪えると思わないで。言っとくけど、あんたとその子ども二人が、私と私の子の幸せを奪うなんて――...

ログインして続きを読む