第144章 神崎松夫

茅野美月は表向きこそ茅野芽衣をかばうような口ぶりだったが、実際にはメディアに向けて――茅野芽衣が「結婚中に男を作った」女だと、遠回しに断じていた。

そう、世間に刻みつけたいのだ。

茅野芽衣は救いようのない最低の女だ、と。

だがそのとき、相馬瑛太の胸には別の算段が芽を出していた。

真央と利久は、間違いなく自分の子だ。利久の顔つきが、幼い頃の自分とあまりにも似ている。

つまり――自分が公に「真央と利久は相馬悠真の子ではない」と言いさえすれば、神崎家は茅野芽衣を受け入れられなくなる。

そうなれば、芽衣と自分には、まだ道が残る。

もちろん、今は何も言わない。

ここで芽衣をかばえば、茅...

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