第32章 離婚しよう

茅野美月はもともと入院して療養中だった。

あの場で「気を失った」あとも、流れに身を任せるように意識が戻らず、病室はまたしても小さな騒ぎに包まれた。

相馬瑛太は、文字どおり火の車だった。あれこれ片をつけた頃には、空はもう白みかけている。

そして茅野芽衣は、一晩じゅう連れて行かれたまま。

冷え切った留置場で芽衣が夜を明かした——そう思っただけで胸が締めつけられ、瑛太の内側に黒い苛立ちが膨れ上がる。

焦りと殺気が滲み、ただ目を伏せているだけでも、全身が鋭く張り詰めて見えた。

もともと独断専行の気質を持つ男だ。その本性が隠しようもなく露わになる。芽衣を出すために根回しを重ね、一夜のうちに...

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