第54章 五千万で相馬家の若奥様と交換する

茅野芽衣は口元をわずかに持ち上げた。

「もちろん」

彼女はただ相馬瑛太のもとへ戻るつもりなだけじゃない。むしろ、相馬瑛太がこの島の秘密を知ったら、いったいどんな顔をするのか——その反応のほうが気になっていた。

けれど……。

相馬瑛太は、本当にこの島の秘密を何ひとつ知らないのだろうか。

芽衣の瞳が、すっと陰る。相馬悠真に別れを告げ、その場を離れた。

戻る道すがら、通りかかったスタッフに入港までの時間を尋ねると、目的の小島へはあと三十分ほどだという。

再び相馬瑛太のところへ戻ると、彼は相変わらず例の一団と談笑していた。

そして、またしても耳に入ってくる——高木の声。

今度、高木...

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