第67章 離間

相馬瑛太は茅野芽衣をきつく抱き締め、髪から漂う淡い香りを貪るように吸い込んだ。

芽衣は眉をきゅっと寄せ、胸の奥から込み上げる嫌悪に歯を食いしばる。

男の身体には、鼻を刺すほど強い香水の匂いがまとわりついていた。――ついさっきまで、どこかで女と絡み合っていた証拠。

自分は、相馬瑛太という男の厚かましさを甘く見ていたらしい。

芽衣の視線がひやりと冷える。表情だけは崩さず、そっと彼を押し返した。

「やめて。いま、服を合わせてるの」

腕の中が空になり、瑛太は眉をひそめた。

――今の、嫌がったよな?

胸の奥がざらつく。だが口に出して責めるのも躊躇われた。もし芽衣にそのつもりがなかったら...

ログインして続きを読む