第7章 最高の母親

病院は人影でごった返していて、ほどなく相馬瑛太の視界から、あの白い影がすっと消えた。

途端に胸がざわつき、彼は思わず声を張り上げる。

「芽衣? 芽衣!」

返事はない。

その場で苛立たしげに何歩も行ったり来たりし、ふと何かを思い当たったのか、相馬瑛太は顔を上げた。案内板。科を示す矢印。

自分の中の予感が何なのか、言葉にできない。だが、表情を強張らせたまま産婦人科へと足を速めた。

――やっぱり。

曲がり角の先に、白いワンピースの背中。

「芽衣!」

相馬瑛太は追いつき、問答無用で手首をつかむ。

「芽衣、なんで一人で病院にいるんだ。さっき産婦人科で呼ばれてたの、お前じゃ……」

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