第74章 不慮の遭遇

相馬瑛太は聞く耳を持たず、手足をばたつかせて抵抗しながら喉が裂けるほど叫んだ。

「違う! 中にいるのは俺の妻だ! 俺の愛する人なんだ! 助けに行く、助けに行くんだ!」

その怒号とほぼ同時に、相馬悠真も慌ただしくホテルへ駆けつけ、相馬瑛太が火の海へ突っ込もうと暴れている場面を目撃した。

視線を室内へ向けると、窓の向こうで炎がごうごうと渦を巻き、天井まで舐め上げている。

胸の奥が、どすんと沈んだ。

――計画は、予定どおり進んでいる。

茅野芽衣は、いまどうしている……?

そのとき相馬瑛太が悠真に気づき、驚愕に歪んだ顔で怒鳴りつけた。

「相馬悠真! なんでお前がここにいる!」

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