第83章 心がぽかぽかする

時が過ぎるのは早い。瞬きをする間に、二か月が経っていた。

茅野芽衣は毎日研究に追われ、ほかのことを考える余裕などほとんどなかった。

その日も、退勤して研究室を出ようとしたときのこと。

ドアへ向かう途中でふと足が止まる。外に、灰色のランボルギーニが停まっていた。車体にもたれるようにして、すらりと背の高い男が立っている。

相馬悠真だった。

体に吸い付くようなグレーのスーツ。こちらに気づくと、軽く顎を引いて笑う。

「久しぶり」

茅野芽衣は、思わず言葉を失った。

二か月ぶりに見た彼は、まるで別人だ。以前の相馬悠真は、白衣に銀縁眼鏡で、穏やかで知的な雰囲気をまとっていた。

それが今は...

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