第88章 茅野芽衣は死んでいない

茅野芽衣は相馬悠真に余計な心配をかけたくなくて、声を落として宥めた。

「大丈夫。私は平気。相馬瑛太のことは、もう私には響かないから」

相馬悠真はほっとしたように頷く。

「それならよかった。……でも今日来たのは、心配だったからだけじゃない。ちょっとした贈り物も渡したくてさ」

そう言って、彼はポケットから淡いピンクの小さな紙箱を取り出し、芽衣へ差し出した。

「この前、眠れない日があってさ。試しに使ってみたら、結構よかったんだ。芽衣は毎日仕事の負担も大きいし、睡眠の質も落ちやすいだろ? だから持ってきた。夜、これを焚けば少しは眠りやすくなるはず。もちろん、赤ちゃんにも害はない」

茅野芽...

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