第96章 子供は愚かだ

夕暮れどき。西日が空の半分を朱に染めていた。

茅野美月は会社で配信を回し、流れてくるコメントに合わせて視聴者とやり取りしていた。投げられる質問に一つひとつ明るく答え、いかにも「優しくて朗らかな人」を演じ切る。

配信が終わる。大画面がぷつりと暗転した瞬間、美月は露骨に白目をむいた。

「……こいつら、バカなの? くだらない質問ばっか。返すのも面倒くさい」

そう吐き捨ててカップの水を一口。すぐアシスタントへ顔を向ける。

「陽向は?」

アシスタントは声を落として答えた。

「入口のところで、座ってお待ちです」

美月が配信ルームを出ると、廊下の椅子に、肌の白い小さな男の子がちょこんと座っ...

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