第97章 立場を与えてくれ

夕食を終えると、相馬瑛太は子どもを抱いて二階へ上がり、寝かしつけに向かった。

ベッドにそっと降ろし、パジャマに着替えさせながら尋ねる。

「陽向。ママ、普段……よくお前にきつく当たるのか?」

相馬陽向は唇をきゅっと結び、答えなかった。頭の中に、母親が怒鳴る場面がいくつもよぎる。

――確かに、ママは怒りっぽい。

でも、ママはママだ。ぼくにはこの人しかいない。

そう思った小さな胸が、健気に揺れる。陽向はこくこくと首を振った。

「ママのせいじゃないよ。ぼくが悪いの。お菓子食べちゃだめって言うのも、お勉強しなさいって言うのも……ぼくがえらくなるようにって、ママが思ってくれてるから。ぼくが...

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