第5章

 あれから一か月が過ぎた。

 ある日の午後、私はエルフ族の城の書斎で家系図を繰っていた。窓の外からざわついた声が聞こえる。門番が誰かを止めているらしい。

 次いで、聞き覚えのある声が突き刺さった。

「入れて! 姉さんに会わせて!」

 セリアだ。

 私は窓から下を覗いた。正門の外にセリアが立っていて、エルフの衛兵二人に行く手を塞がれている。髪はぼさぼさ、首には分厚いマフラーを巻き、大半の顔を隠していた。

 私は衛兵に合図し、通すよう命じた。

 書斎に入ってきたセリアは、室内に入るなりマフラーを外した。首には赤い痕が幾筋も走り、手首には数え切れない火傷が並んでいる。水ぶくれは破れて...

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