第5章
冷えきった石の寝台に腰を下ろす。傷口の鈍い痛みが、骨に巣食う蛆のようにまとわりついて離れない。
蛇裔の癒やしの根源を捧げた今、私の肉体はただの凡人と変わらない。けれど、膝の上で眠り続けるケイロンの顔を見ていると、その冷たい苦痛は、別の灼ける感情に一瞬で溶かされてしまう。
呼吸は深く、静かで、長い。冥河の血蓮の力が、砕け散った九翼蛇神の魂を、いま再び織り直している。
「殿下」
大祭司ウィノニカが、足音も立てず石室へ入ってきた。
「影蝙蝠が、光域と暗域の境界でこの記憶水晶を回収しました」
ウィノニカの目には、複雑な色が浮かんでいた。胸のすくような快さと、喉を締めつける恐怖が...
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