第6章

 私は湾刀を握り締め、ケイロンが眠る聖所の扉の前に立ちはだかった。

 結界の外で、鈍い轟きが暗域の静寂を引き裂く。

「轟——!」

 防御障壁が轟然と砕け散った。渦巻く竜炎が逆流するように押し寄せ、外縁の黒石の森は一瞬で目を灼く火海へと変わる。

 黒曜石死士団だ。重甲に身を包んだ半竜人の精鋭が巨剣を振り回し、前を塞ぐ蛇族の衛兵を容赦なく屠っていく。悲鳴、盾の砕ける音、肉の焦げる匂い――空気が瞬く間にそれで満たされた。

 そして重甲の死士に守られるように、枯れ枝めいた痩身でありながら妙に飾り立てた影が、火の帳の奥からゆっくりと歩み出る。

 ライラー。

「エラー、私の愛しいお姉さま!...

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