第103章 悪い予感、立花結月に何か起こる!

翌日――。

立花結月は、いまや完全なフリーだ。事務所の縛りもなければ、マネージャーもいない。

自分のスタジオを立ち上げる暇すらなく、彼女は松田に電話を入れ、ひとまず生活面のサポートを頼んだ。

松田は結月の車を運転して迎えに来たのだが――本人いわく、天にも昇る気分だったらしい。

推しが、ついに表舞台へ戻ってきたのだから。

結月は後部座席に乗り込むなり『広辞苑』を開き、気になる漢字を見つけては、時おり手帳に書き写した。

漢字には、言霊を宿した美しい字があまりにも多い。

たった二文字しか選べないことが、腹立たしいくらいだ。世界中の「いい字」を全部、我が子に贈ってやりたいのに。

散々...

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