第113章 彼は自らの手で自分の子供を殺した

医長はマスクを外した。先ほどまでの重苦しさが、ほんの少しだけ薄れている。

「立花さんは二卵性の双子を妊娠されています。胎盤も発育の仕組みも別々で、互いに干渉しません。ですので今回は片方だけが流れてしまい、もう片方はまだ子宮内にいます。ただ……今後、何も起きないと断言はできません。少なくとも現時点では胎児心拍は確認できていますが、最悪の可能性も想定してください。今夜、あるいは明日、また流産することもあり得ます」

その言葉に、氷室蒼生はようやく息を吐いた。

神は――立花結月に、そこまで残酷ではなかった。

「じゃあ、掻爬はできないのか?」

「ええ。もう一方の胚の発育に影響が出ます。今回は...

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