第19章 君を隠しておきたい、俺だけのものにしたい

立花結月の指先が、じわじわと力を帯びていく。「あなたは不釣り合い」――その言葉を吐き捨てた瞬間、ついに堪えきれず爆発した。

――バンッ!

彼女は手にしていたグラスを床へ叩きつけた。乾いた音が弾け、破片は一瞬で四散する。飲み残しの水がびしゃりと広がり、足元を濡らした。

潤んだ狐目には、もう冷え切った無感情だけが残っている。声は大きくない。だが、家の空気を支配するだけの威圧があった。

「……言いたいことは、それで終わり?」

藤井知代はその気配に呑まれ、喉が詰まった。二年前の大晦日――結月が親族の前で年越しの食卓をひっくり返した夜を、忘れられるはずがない。あの女に「やれないこと」なんて、...

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